 
第15回 運と力量

今年ももうウィンタースポーツの季節になりました。日本が長野で開催された冬季オリンピックは、感動と共にまだ私達の記憶に残っていますね。

紆余曲折の末、ようやく開催が決まり、ギリギリまでありとあらゆるスッタモンダが繰り返され、今一つ盛り上がりを欠いた状況の中で、開会式を迎えた長野五輪であったように記憶しています。ところが、スピードスケートの清水選手、モーグルの里谷選手と日本人の選手が相次いで金メダル、女子スピードスケートの岡崎選手が銅メダルをゲットした途端、様子は一変。そして平成日の丸飛行隊の大活躍。船木選手のノーマルヒル銀メダル、ラージヒル金メダル、原田選手の銅メダルでいよいよ盛り上がり、ジャンプ団体で日本チームが金メダルに輝くに至って盛り上がりはクライマックスに達し、繰り返し放送される日本選手の勇姿に、日本中がクギづけ状態。なかでも原田選手はドラマチックな存在でした。

人一倍お祭り好きで乗りやすい私も当然、オリンピック(メダル)・フィーバーに参加してシッカリ盛り上がっていましたが、その中で私は人とはひと味違う楽しみも見つけました。

最初にその事に気が付いたのは帰宅途中の満員電車の中。身動きできない状態で目だけはキョロキョロ動かしていた私の視野の中に、目の前に座っている人が読んでいた新聞の大見出しが飛び込んできました。そこには、音だけの情報だった清水、里谷両選手のフルネームが文字になって並んでいました。どうやら私の目は、興味をそそられる人の名前に出くわすと、自動的に姓名の相を分析してしまうらしい(これはすでに一種の職業病だ!)二人の名前はどちらも姓名学的にみてすごく良い相の名前だった。私はヘェーと思いつつも素直に嬉しかった。

そこで、それでは他の人はどうだろう?と、早速他の選手の姓名チェックを試みる…というのが一般的な反応であろうと思う。しかし、帰宅した私は積極的に他の選手の姓名判断をする気がまるでなかった。次に私の中の姓名判断機能をオンにしたのは原田選手の名前だった。彼の姓名の相には、まさしくドラマチックな展開を予想させる波乱の相があった。

私はオリンピックのおかげで、力量と運についてあらためて考えさせられた。そしてある決意をした。凶運の暗示に結果が伴ったとていったい何が面白い!まるで人の不幸を待つようなそんな卑しい人間にだけはなり下がらぬよう気をつけよう。出た結果に対して、運が見方したと思える人には素直に『良かったね!』と。運が見方をしなかったと思える人が結果を出したら、『凄いね!』と、あらためてその人の力量とそれを培った努力に敬意をはらえる。そんな姿勢を保っていきたい、と。
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