聖徳会

第18回 生きたお金の使い方 後編

今、世の中はおかしい。何かが狂っている。天変地異、政経異変、人心異変。あっちもこっちもおかしいことのテンコ盛り状態だ。その理由は明白だ。これは、人間のエゴイズムが正常な循環のシステムを大幅に狂わしてしまったせいだ。金に目が眩んで天地自然の理を無視し、経済優先の生活を求め続けた人間が五行のバランスを崩して世界を火土金偏重の姿にしてしまった結果なのだ。今、火土金偏重の弊害は、刻々と世界を歪め滅亡に導いていく。

ここで相尅に目を転じてみよう。するとどうだ。肥大した金が自然を破壊し、土がどんどん水を汚す悍ましい姿が見えてくる。

人間が生み出し続ける金は自然の、そして人間という存在は水の天敵なのだ。火土金偏重の世界は確実に水と自然を滅ぼしていく…。このままの状態が続くなら、やがて五行の循環は停止する。そして世界は滅び去る。狂ったように金を求める人間の手によって世界の終焉がもたらされようとしているのだ。

水は生命の源だ。水が無ければ生命は存在できない。しかし、私たち人間という存在は、悲しいことにその水を尅す性を持っている。その性は人間の欲望の産物だ。自らの欲望をコントロールすることができなければ、人間はやがて生命の源を滅ぼしてしまうだろう。愚かにも人間は、その欲望のために自分たちの生命までを危険にさらしてしまっているのだ。

そんな人間に対して自然が警鐘を鳴らしている。地球上のあちこちで生じている異常気象、次々と人間に襲いかかる自然災害…。とうとう自然が怒りだした。今、人間は、手負いとなってもがき苦しむ水と自然の猛反撃に手痛い打撃を受けている。

早く、目を覚ませ!人間も五行の一部なんだと気がつかないのか!!

間に合うかどうかはわからない。でも、私たち人間にはもはや躊躇している暇は無い。今後もこの世に存続することを望むなら、人間は大急ぎで五行の循環の輪の中に戻らねばならないからだ。そのために成すべき事、それは、水と自然の修復に全力をあげて取り組んで、自らが狂わしたバランスを元に戻すための努力をすることだ。そのためにつぎ込んでこそせっせと稼いだお金が役に立つというものだ。

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